合併処理浄化槽(維持管理と使用上の注意)
浄化槽は、大切な自然環境を守り、生活環境を保全するため、水洗トイレからの汚水(し尿)と、台所・ふろ場等からの排水(生活雑排水)を処理し、きれいな水を取り戻すために重要なものです。浄化槽は水中の微生物の働きを利用して汚水を浄化しています。つまり、微生物が汚水の中の汚物を食べ、きれいな水にしてくれるのです。それらの微生物が活発に働き、きれいな水が出せるよう、それぞれが働きやすい条件を整えてやることが必要です。
そのためには、使用上の注意を守り、適正な維持管理を行うことが大切です。
維持管理について
浄化槽は適正な維持管理が行われないと、その機能が充分に発揮されなくなり、その放流水が河川等の汚れの原因になることもあります。維持管理には、次の3項目があります。いずれも機能を100%発揮するために必要な項目ですので、必ず行ってください。
保守点検
機械の点検・補修や消毒剤の補給などを行います。保守点検を行うには、専門的な知識、技術が必要ですので、県の登録を受けた業者に委託することができます。 回数は、浄化槽の構造によって年3回以上とか年4回以上とか定められていますので、委託している業者等に確認してください。
保守点検の記録は、3年間保存してください。法定検査の際に提示していただくときがあります。
清掃
浄化槽内にたまった汚泥等を汲み取ります。清掃を行うには、専門の知識、技術が必要ですので、市町村長の許可を受けた業者に委託することができます。回数は年1回(全ばっき式の浄化槽は6ヶ月ごとに1回以上)とされています。
清掃の記録は、3年間保存してください。法定検査の際に提示していただくときがあります。
法定検査
法定検査では、浄化槽の機能が正常に維持されているかを検査し、不適事項があれば早期に見つけることを目的としています。(人間にたとえると、成人病検診や人間ドックにあたります。) 法定検査は県の指定検査機関である「中部微生物研究所」に依頼してください。
使用開始後の水質検査(7条検査)
この検査は、浄化槽が適正に設置されているか否かを確認するための検査です。使用開始後3ヶ月を経過したら、5ヶ月以内に受けてください。
定期検査(11条検査)
この検査は、主として保守点検および清掃が適正に実施されているか否かを判断するための検査です。毎年1回、必ず受けてください。
使用上の注意事項
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台所から油分などは流さないでください
- 使った油は、流さず、ゴミと一緒に出す
- なべや皿のひどい汚れは紙でふいてから洗う
- 三角コーナーには細かいネットをかぶせ、野菜くず等を流さない
油や野菜くずなどを直接流すと浄化槽(微生物)への負担が大きくなり、機能が発揮されなくなったり、浄化槽が故障したりすることがあります。
- 便器の掃除には、微生物に影響するような薬剤を使わないでください
微生物が死んだり弱ったりすると、せっかくの機能が発揮されなくなることがあります。
- トイレットペーパーをお使いください
水に溶けないティッシュ、新聞紙、たばこの吸殻、紙おむつ、衛生用品などを流さない水に溶けにくいものを流すと、詰まったりして故障の原因になります。
- カビ落とし剤、漂白剤の使用は控えめにしてください
カビ落とし剤は強力で、微生物を殺してしまいます。適度に使って、使用後は十分に水を流しておくようにしましょう。洗濯のときは、洗剤、漂白剤の適量を計って使いましょう。
- ブロワの電源を切らないでください
ブロワは浄化槽内に空気を送り込む重要な役目をしています。これが止まると、浄化槽内の微生物が死んでしまうため、機能が発揮されなくなります。
- 浄化槽の上に物を置かないでください
いつでも点検や清掃ができるようにしておきましょう。
- 浄化槽の蓋(マンホール)はきちんと閉めておきましょう
鍵のかかるマンホールは必ず鍵をかけてください。誤って落ちたりすることを防止するためです。